
「たかが、まな板。」
食材を切るための、ただの“台”のようなものは、プラスチックでもガラスでも、平らで清潔であれば十分。
「木が好き」と豪語しておきながら、そんな「まな板だけは別物・プラスチックでOK」という不遜な態度で暮らしてきました。
しかし、これではいけないと一念発起し、木のまな板(イチョウ)を購入。
すると料理モチベーションが高まってきた手応えが。
特に朝ごはんのとき、まな板と包丁が “使いたくないもの” から、 “使いたいもの” にランクアップ。
今回はそんな木のまな板について、その特徴からよく使われる樹種ごとの違いまで、まったり説明していきます。
※この記事は広告PRを含みます
先に、ザクっとまとめた答えだけ。
刃当たりのやさしさで長く付き合うなら“イチョウ”。
木のまな板デビューには、香りとバランスの“ヒノキ”。
とにかく軽いのがいいなら“桐”。
抗菌力と耐久性なら“ヒバ”。
食卓に出して絵になるのは“サクラ”です。
詳しくは、このあとゆっくりご説明していきます。






木のまな板の魅力とは?
刃当たりがやさしい/手首にやさしい
まず木のまな板全般に言える大きな特徴は “刃あたりの優しさ” です。
それは木材のもつ弾力性と繊維構造が包丁の衝撃を吸収してくれるため。
さらに、その優しさは“包丁の刃”だけに向くものではありません。
そう、包丁を握る“人の手首”への負担軽減・優しさにもなっているのです。
小さなことかもしれませんが、連続した作業にとっては、これはとても大きな使い心地の違いです。

楽器のように、音がやさしい
もうひとつ、気持ち的な部分に関する特徴です。
それは、包丁がまな板と触れ合う音。
“トントントン”。
木のまな板でしか奏でられない類の音です。
プラスチックのそれでは味わえない暮らしの妙ですね。
まさに“整ったくらし”の代名詞で、料理中の空気や気分を変えてくれます。
清潔さを支える抗菌性
また木材には抽出成分と呼ばれる、色や香りなどの元になる成分が含まれています。
たとえばヒノキやヒバの抽出成分には、防腐性・防虫性や抗菌性があることが知られています。
どうでしょう。
水まわり、食まわりで使うまな板にとって”自然成分の抗菌性”が含まれているとしたら、それは魅力的に見えてきませんか?
【種類別】木のまな板の違い|イチョウ・ヒノキ・ヒバ・サクラ・桐
さて全般的な木のまな板の特徴を押さえたところで、ここからは樹種ごとに木のまな板の特徴をみていきましょう。
ただはじめに言えるのは、「すべてのモノサシでこれがNo1」という樹種が存在するわけではありません。
そのため、「いまの自分に合うのは、どれだろう?」と考えるほうが、きっとしっくりくると思います。
そういった観点とともに、まな板によく使われるイチョウ、ヒノキ、ヒバ、サクラ、桐をまずはサッと見比べてみましょう。
| 木の種類 | 比重 | 硬さ(★最大5) | 特徴 | 向いている人・使い方 |
| イチョウ | 約0.55 | ★★☆☆☆(やわらかい) | 弾力があり、刃当たりが極めてやさしい。乾きやすく、反りにくい。 | 刃が受け止められる感覚を大切にしたい方。 |
| ヒノキ | 約0.34〜0.54 | ★★★☆☆(中間) | 香りがよく、ほどよい硬さと軽さで扱いやすい。清潔感もある。 | 木の香りが好きな人。清潔感を重視する人。 |
| ヒバ | 約0.37〜0.52 | ★★★☆☆(中間) | ヒノキに似た香りと強い抗菌性を持ち、水に強い耐久性がある。 | 耐久性と清潔感を両立させたい人。 |
| サクラ | 約0.62 | ★★★★☆(ややかため) | 見た目が美しく、木目が細かくしっかりとした手触り。 | 料理に見た目や存在感を求める人。サブ的なまな板を求める人。 |
| 桐 | 約0.19〜0.4 | ★☆☆☆☆(最もやわらかい) | とにかく軽く、扱いやすいが、傷つきやすい。 | 力の弱い方、ヒノキやヒバのような匂いが苦手な人。 |
イチョウのまな板
イチョウはまさに木のまな板の「ちょうどよさ」の代表格。
その柔らかさは、刃あたりにやさしく、手首にやさしく、さらには削り直しもしやすい。
つまり色々な局面でやさしさにあふれ、結果的に長く使える、とてもサステナブルな樹種なのです。
また古来からイチョウの木はまな板として使われ、現在でもプロの料理人の方が選ぶことも多いものです。
ヒノキのまな板
ヒノキは、清潔感と扱いやすさのバランスがとても良い木です。
ほどよい硬さがありながら、包丁へのあたりはやわらかく、さらに軽くて水切れもいい。
清涼感のある香りは、消臭効果だけでなく台所に心地よさを添えてくれます。
“全ての面におけるバランスの良さ”は、木のまな板初心者の方にもオススメです。
ヒバのまな板
ヒバは、“ヒノキチオール”という成分を含んでおり、耐水性、耐久性、殺菌・抗菌性が抜群の木です。
性能だけで言えば“ヒノキの上位互換”といっても過言でないほど。
(ヒノキチオールの正体や、ヒバが「900年腐らない」と言われるほどの耐久性については、ヒバの抗菌性と耐久性の記事で詳しく書いています)

刃当たりも適度で、力を受け止めながらも跳ね返しません。
サクラのまな板
サクラのように美しい木目のまな板は、出しっぱなしにしても絵になります。
料理だけでなく、パンやチーズを切ってそのまま食卓へ出せるインテリアとしても。
そんな“置いてあるだけで気分が上がる”ちょっとした贅沢付きです。
桐のまな板
桐の特徴は何といってもその軽さと柔らかさです。
広葉樹は一般的に針葉樹より密度が高く重いのですが、桐は広葉樹ながらスギやヒノキなどの針葉樹よりも軽い材種です。
なんと日本で育つ広葉樹の中でいちばん軽いと言われています。
そしてこの”とても軽い”というのは、力の強くない方でも使いやすい、という立派な特徴になります。
(そもそも広葉樹と針葉樹でなぜ重さがちがうのか、については広葉樹と針葉樹の違いの記事で細胞のつくりから解説しています)

またヒノキやヒバのような香りも少ないため、“食材への匂い移り”が心配な方は、桐を検討されるのもアリかもしれません。
木のまな板のお手入れと削り直し
木のまな板に対して、良いイメージの一方で“黒ずみや菌の繁殖”といったネガティブイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、木のまな板はきちんと手入れすれば、長く、清潔に使い続けることができます。
(洗い方・乾かし方から黒ずんできたときのリセットまで、具体的な手順については木のまな板のお手入れ記事で詳しく紹介しています)

基本は、使ったらすぐに水で洗い、布で水気を拭き取り、風通しのいい場所で立てかけて乾かすこと。

それだけで、清潔さと寿命はぐっと伸びます。
そして、なんといっても、木のまな板は削って再生できる道具。
傷や黒ずみが目立ってきても、サンドペーパーで削るだけで蘇ります。
また最近では“削り直しサービス”を行ってくれるブランドも多くあるので、そういったところのまな板を購入するのも“手(て)”です。
まな板が新品のようにキレイになる瞬間は、とても清々しい気持ちになれます。
おわりに|“まな板ひとつ”で、暮らしと料理がちょっと変わる話
木のまな板で料理が特別上手になるわけじゃありません。
しかし、まな板を木に変えるだけで、不思議と料理に向かう姿勢は変わります。
そして料理に向かう姿勢が変わると、くらしも変わる。
こんな2段論法が成り立つのではないでしょうか。
ある意味で “丁寧な暮らしへの起点” になるアイテム──
それが木のまな板なのかもしれません。
オススメまな板のご紹介|イチョウ、ヒノキ、ヒバ、サクラ、桐のまな板
イチョウのまな板
↑素材と対話したくなる、“プロの料理人も使う”イチョウのまな板の決定版。
↑訳あり品のお手頃価格。インテリアにもなるセカンドカッティングボードに。
ヒノキのまな板
↑木のまな板“入門”にオススメ。ヒノキの“抗菌性”と“適度なやわらかさ”で包丁と腕にやさしい“木のまな板”代表格。
ヒバのまな板
↑青森ヒバという抗菌性最上級の材の“しっかり”まな板。
↑“さっと和食がつくりたい”気持ちにフィットするヒバのまな板
サクラのまな板
↑サクラならではの色味と目で、ナチュラルな“おうちカフェ”を演出にぴったりな一品。
桐のまな板
↑女性やお子様でも片手で持てる、“桐(きり)”ならでは軽さのまな板。サイズもしっかり日常使いサイズ。
↑キッチンのインテリアにもなってくれる桐(きり)のまな板。和の空気がにじみます。


