【漫画付】カカオの木の特徴|実のなり方からチョコになる仕組みまで、まったり解説

コンビニエンスストアに行けば、必ず棚に並んでいるチョコレート。

あまりに身近なお菓子ですが、 その「親」であるカカオの木がどんな姿をしているか、 想像したことはありますか。

どのくらいの大きさになる木なのか。 日本の山にも生えているのか。 そもそも、木になっている実もチョコレートの味がするのか。

カカオの木は、 私たちがよく知る「木」の常識からは少し外れた、ユニークな生態をしています。

今回は、そんなカカオの木の基本的なスペックや、 チョコレートになるまでの不思議な道のりについて。

そして最後に少しだけ、「観葉植物としても流通している」という意外な事実についても触れてみたいと思います。

目次

カカオの木ってどんな木?大きさや特徴

植物としてのカカオは、アオイ科(旧アオギリ科)テオブロマ属に分類される常緑樹。

まずはその「見た目」や「大きさ」にまつわる素朴な疑問から見ていきましょう。

高さはビル3〜4階分にもなる

可愛らしいイメージのあるカカオの木ですが、野生の環境で放っておくと、 条件の良い場所では高さ10メートル以上に育つこともあり、 文献によっては15メートル近くに達した例も報告されています。

だいたいビルの3階か4階くらいの高さです。

ただ、背が高すぎると農家さんが実を収穫するときに大変です。

そのため、私たちが映像などで見るカカオ農園の木は、 手が届きやすいように3メートルから5メートルほどの高さに剪定されています。

本来はもっと大きく伸びようとする力を持っている木なのです。

↑カカオの木のプランテーション

幹から直接花が咲く「幹生花(かんせいか)」

カカオの木の特徴的なのものが「花の咲き方」です。

桜にしてもリンゴにしても、普通、花や実は「枝の先」になるもの。

ところがカカオは違います。

ゴツゴツした木の幹や太い枝のあちこちから、 直接ブツブツと小さな花が咲くのです。

これを専門用語で「幹生花(かんせいか)」と呼びます。

そして、その小さな花から、 あの大きな「カカオポッド(カカオの実)」が育ちます。

太い幹にラグビーボールのような実がぶら下がっている姿です。

学名「テオブロマ」の意味

ここで少し余談を。

カカオの木の学名は「Theobroma cacao(テオブロマ・カカオ)」といいます。 このテオブロマという言葉、ギリシャ語で「神様の食べ物」という意味を持っています。

この名前は、18世紀にヨーロッパで学名が付けられた際、 かつてアステカ文明などで、カカオが薬や滋養強壮の飲み物、 あるいは貨幣(お金)として大切に扱われていたことに敬意を込めて名付けられたものです。

ただのお菓子ではなく、かつてはお金であり、神聖な捧げ物でもあった。

そう考えると、いつものチョコレートも少し高貴なものに見えてくるかもしれません。

カカオの主な産地は?日本でも見られる?

カカオはとても寒がりな植物です。 どこでも育つわけではなく、地球上のごく限られた場所でしか生きられません。

赤道直下の「カカオベルト」

カカオが育つのは、赤道をはさんで北緯20度から南緯20度までのごく狭い範囲。

このエリアは「カカオベルト」と呼ばれています。

一年中気温が高く、雨が十分に降る、高温多湿な環境。

主な産地として、アフリカのコートジボワールやガーナ、 中南米のエクアドルやブラジル、アジアではインドネシアなどが挙げられます。

日本の四季、とくに寒くて乾燥する冬は、 カカオにとってはあまりに過酷な環境と言えます。

日本にカカオの木はあるのか

では、日本国内にはカカオの木は一本もないのでしょうか。

実は、露地栽培(外で育てること)はできませんが、 温室のある植物園であれば、日本各地で見ることができます。

また、商業化を目指した小規模な栽培への挑戦も始まっています。

東京都の小笠原諸島や沖縄県などでは、 ビニールハウスや温泉熱を利用して「国産カカオ」が育てられています。

まだ生産量はごくわずかですが、 日本の技術で作られたチョコレートとして注目され始めています。

温室で育てられるカカオ

↑温室で育てられるカカオ

カカオの実からチョコレートができるまで

木になっているカカオの実をそのままかじっても、 あのチョコレートの味はしません。

実は、収穫のあとにとても長い「変身」の工程を経て、ようやくあのお菓子になります。

そのまま食べてもチョコの味はしない

カカオの実(カカオポッド)を割ると、 中には白い果肉(パルプ)に包まれた種が入っています。

この種がチョコレートの原料になるのですが、 種を包んでいる白い果肉はどんな味がすると思いますか。

品種や熟度によって差はありますが、 ライチやマンゴスチンのように甘酸っぱく、とてもフルーティーな味がすると言われます。

南国のフルーツそのものの爽やかさを持っており、 チョコレートの濃厚な風味とはまったくの別物です。

↑カカオの実の断面

味の決め手は「発酵」にある

では、いつチョコレートになるのでしょう。 重要なのが「発酵」です。

白い果肉ごと種を取り出し、バナナの葉などで覆ったり、木箱に入れたりして数日間発酵させます。

この工程で、種の中の成分が変化し、 チョコレート特有の香りや味のベースが作られます。

そのあと、天日で乾燥させ、 工場で焙煎(ロースト)して初めて、 あの香ばしい「チョコレートの香り」が引き出されるのです。

料理というよりは、味噌やワインを作るような、 微生物の力を借りた長い旅を経て、私たちの手元に届いています。

補足|観葉植物としても流通している?

最後に、少し意外な事実を補足としてご紹介します。 実はこのカカオの木、日本のネット通販などでも「苗」が販売されていることがあります。

「家で育てられるの?」と思うかもしれませんが、 結論から言うと、日本(特に本州)の一般家庭で育てるのは非常にハードルが高い植物です。

葉を楽しむ観葉植物として

園芸店で見かけることは稀ですが、 マニアックな観葉植物として苗木(実生苗)が流通しています。

新芽のうちは透き通るような赤みを帯び、 成長するとツヤのある深い緑色に変わる大きな葉。

その姿には、ゴムの木やパキラとはまた違った、熱帯植物特有の野性味があります。

日本の冬を超える難しさ

ただ、やはり相手は赤道直下の植物。 最大の壁は「寒さと乾燥」です。

気温が15度を下回ると元気がなくなり、10度を切ると枯れてしまうリスクが高まるそうです。

日本の冬を越すためには、 24時間暖房の効いた部屋に入れるか、簡易的な温室を用意するなど、 徹底した温度管理が必要です。

【重要】ペットと暮らすお家は要注意!

また、もし犬や猫と一緒に暮らしているなら、もっと慎重になる必要があります。

チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が、 猫や犬にとって中毒を引き起こすことは有名です。

実はこの成分、実(種子)だけでなく、 葉や茎などカカオの植物体にも含まれている可能性があるため、 犬や猫にとっては少量でもリスクとなる場合があります。

好奇心旺盛なペットが、揺れる葉っぱをかじってしまったら大変です。

もし家に迎えるとしても、ペットが絶対に入れない場所で管理するなど、 徹底した安全対策が求められます。

まとめ

チョコレートの原料として世界中で愛されながら、 その樹木としての姿は意外と知られていないカカオ。

幹から花が咲く不思議な生態や、 神様の食べ物と呼ばれた歴史を知ると、 いつものチョコレートの味わいが少し深く感じられる気がします。

食べる楽しみだけでなく、 「知る楽しみ」として、カカオの木に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ユカワニ
ユカワニ

木が大好きな一級建築士。トリとイノシシと一緒に木の学びをお伝え。

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