
伸びすぎてしまった庭の月桂樹、枝を切ってそのままゴミ袋へ。
そんなことになっていませんか?
ただ、料理に使うといっても、せいぜい数枚。
剪定で出た山のような枝葉を前にすると、どうしていいかわからなくなります。
“結局、枝ごとまとめてゴミ捨て場へ”そんな方は、案外多いのではないでしょうか。
でも、ちょっとストップです。
その剪定した枝は、ただのゴミにしてしまうには、あまりに惜しいもの。
月桂樹は、古くから薬として、スパイスとして、そして神聖な守りとして扱われてきた、いわば“お宝”です。
料理の香りづけだけにとどまらない、月桂樹の葉っぱの楽しみ方。そして、その背景にある少し切ない物語──
今回はそんな“中身がつまった”月桂樹について、少し掘り下げてみようかと思います。
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月桂樹の葉(ローリエ)の「効能」|なぜ万能薬と呼ばれてきたのか
まずは、あの独特の香りの正体についてです。
ただ「いい匂い」なだけではありません。 あの香りには、ちゃんとした意味があるのです。
胃腸と心を、ほどいてくれる
月桂樹の葉(ローリエ)に含まれる香りの主成分は「シネオール」。
これは、古くから私たちの胃腸の働きを助けてくれるとして、頼りにされてきた成分です。
食欲がないときや、お腹の調子がいまいちなとき。 この香りが、お腹の中からリズムを整えてくれる。
ローリエを料理に使ってきた昔の人達も、そんな力を経験として知っていたのかもしれません。
また、この香りには、心をゆるめる力もあるようです。
なんとなくイライラしたり、気持ちが張り詰めているとき。 月桂樹の香りをかぐと、不思議と肩の力が抜けるような感覚になります。
「まあ、いいか。」と思わせてくれる。 そんなやさしい時間も、この葉っぱには隠されているんですね。

意味も分からず「カレーにローリエ」な人間も沢山だろうナ



(ギクっ、、、)まぁ美味しそうになりそうだもの。



オレ、もっと食欲がでるんだな!


↑古くからスパイスとして使われてきたローリエ
実は「虫除け」としての実力も
人間にとっては「深呼吸したくなる香り」ですが、虫たちにとっては「逃げ出したくなる香り」のようです。
乾燥させた葉を、米びつやタンスの隅に入れてみてください。
昔ながらの、ささやかな虫よけになります。
化学薬品のツンとした匂いは苦手。
そんな場所でも、自然の葉っぱなら安心して使えます。
人間には優しく、虫には厳しい。
そんな頼もしさも、月桂樹が長く愛されてきた理由のひとつです。
(香りで虫を遠ざける木といえば、タンスの防虫剤でおなじみのクスノキも同じ仲間です。クスノキは木材になっても香る?も合わせてどうぞ)





エステーのムシューダも商売あがったりだナ。



あれはあれでいい商品でしょ。(そういえば、トリさん、エステーのヒヨコロゴをもっと邪悪にしたような感じだ)



オレも、これ首輪にしたら、ダニのみ避けにもなるのかな?
【ちょっとした小話】予言者も使っていた?
少し不思議な話ですが、古代ギリシャの巫女たちは、この月桂樹の葉を燻して、その煙を吸うことでトランス状態に入り、神の予言を受け取っていたという説があります。
もちろん現代では真似してはいけませんが、昔の人はこの香りに、単なる植物以上の「なにか」を感じ取っていたのでしょう。
料理だけじゃもったいない、葉の「使い方」
剪定した大量の葉を、カレーやポトフだけで使い切るのは、正直無理があります。
毎日カレーを食べるわけにもいきません。
そこで、料理以外の活用法にも目を向けてみましょう。
今すぐできる活用アイデア
月桂樹バス(入浴剤)
生の葉、あるいは乾燥させた葉を数枚、ネットに入れてお湯に浮かべてみてください。 湯気とともに清涼感のある香りが浴室に広がり、さながら森の中にいるような気分になります。 入浴剤を買わなくても、庭の枝をポキっと折れば、一番風呂が贅沢なスパに変わります。
フレッシュリース
剪定した枝が柔らかいうちに、くるっと丸めて麻紐で縛る。 それだけで、素敵なキッチンリースになります。 飾って楽しむのはもちろん、乾燥したらそこから一枚ちぎって料理に使う。 「使えるインテリア」として、キッチンの壁にひとつあると便利です。



お風呂に入れるのやってみたい!



スッキリ感でそうだよね。余ってたら大量消費もできるね。



(、、、合わせて、イノシシ出汁がよく取れそうだナ)


↑月桂樹風呂
月桂樹の葉の乾燥の仕方と保存方法|香りを逃さないコツ
生の葉もフレッシュで良いですが、保存するなら「乾燥」が一番です。
乾燥させることで、生葉特有の青臭さが抜け、香りがぎゅっと凝縮されます。
やり方はとてもシンプル。
洗って水気を拭き取った葉を、ザルなどに広げ、風通しの良い日陰で1週間から10日ほど干すだけ。
ポイントは、焦らないこと。 指で触ってパリッと割れるくらいまで、しっかり乾かしてください。
中途半端に水分が残っていると、カビてしまいます。 しっかり乾けば、瓶に入れて常温で長く楽しめます。
「パリッ」が合図です。


↑しっかりとした乾燥が大切
「月桂樹の花言葉は怖い」は本当? 意味と神話の真実
実用的な話のあとに、少しだけロマンチックな話をさせてください。
月桂樹といえば「勝利の冠(月桂冠)」のイメージが強いですが、なぜ「勝利」なのでしょうか。
実はその裏には、ちょっと切ない恋の物語があります。
花言葉は「勝利」「栄光」…その裏にある悲恋
その由来は、ギリシャ神話にあります。
太陽神アポロンは、ある日、美しい精霊ダフネに恋をしました。 しかし、ダフネはその愛を拒み、逃げ続けます。
追い詰められたダフネは、わが身を守るために、自らの姿を一本の「月桂樹」に変えてしまったのです。
目の前で木に変わってしまった愛する人を前に、アポロンは深い悲しみに暮れました。
そして「せめて私の聖樹として、永遠に愛し続けよう」と誓い、その枝で冠を作り、生涯身につけたと言われています。
つまり、あの栄光の冠は、実は“永遠の愛”の証でもあったのです。
“勝利”という言葉の裏に、そんな一途な想いが隠れていると思うと、見え方が少し変わってきます。



オレ、感動じだ!アポロンの愛は強いな〜



こんなに思い続けらるのもすごいよね。「推し」のグッズを肌身離さず身につけているイメージかもね!



ただの異常なストーカーにしか見えんゾ


↑アポロンと月桂樹イメージ
「裏切り」という花言葉は本当?|「怖い」と言われる理由
そして、月桂樹の花言葉として語られがちなものには、“もう一面”あります。
それは“裏切り”というドキッとするもの。
そんな事をきくと「庭に植えて大丈夫?」と、不安になるかもしれません。
確かに、春に咲く“花”には、そのような少し影のある意味も含まれているようです。
しかし、月桂樹の顔はそれだけではありません。
むしろ私たちが一年中目にするのは、香り高い青々とした「葉」。 そして、神話で永遠の愛の証となった「木」そのものです。
こちらには、「栄光」や「変わらぬ思い」といった、輝かしい意味しかありません。
ひとつの木の中に、影と光がある。
その光のほうを、胸を張って信じてあげればいいのではないでしょうか。


↑月桂樹の“花”
美味しい葉を育てるために。知っておきたい「剪定」のコツ
最後に、これからも長く付き合っていくための剪定のコツを少しだけ。
月桂樹は、とても生命力が強い木です。
「切りすぎたら枯れてしまうかも」 そんな心配は無用です。
むしろ、遠慮して残しすぎると、風通しが悪くなり、カイガラムシなどの害虫がつきやすくなってしまいます。
思い切って枝をすいて、木の内側に光と風を通してあげる。
それが、結果として香りのよい綺麗な葉を育てることにつながります。
切ることは、木をいじめることではなく、木をリフレッシュさせてあげること。 散髪に行くような気持ちで、さっぱりさせてあげましょう。
また“月桂樹を使う”といった視点ですと、「葉はいつ摘めばいいのだろう」と迷う方も多いかと思いますが、月桂樹の場合、収穫のためだけに枝を切る必要はありません。
風通しを良くするために切った枝が、そのまま収穫になります。
切った枝を、ゴミ袋ではなくカゴへ。それだけで、剪定と収穫が一度に終わります。


まとめ | 生活を豊かにするパートナーとして
いかがでしたでしょうか。
今まで“処分に困る枝”だと思っていたものが、実はお腹や心を整えてくれる薬として、生活を守る防虫剤として、そして神話のロマンを秘めた木として、私たちのそばにありました。
そう考えると、庭にあるあの一本が、なんだか頼もしいパートナーのように見えてきませんか。
次に剪定をするときは、ゴミ袋ではなく、カゴを持って庭に出る。
それだけで、少しだけ豊かな時間がはじまる気がします。



よし、イノシシ!今から大量に乾燥させて、ひと稼ぎダ!



おー!!!でもお風呂さきにやろ〜



トリさんは、本当に抜け目ないね










