「この木なんの木」の正体|ハワイに立つモンキーポッドはどんな木?

「この木なんの木、気になる木」。

長く「世界ふしぎ発見」の枠でおなじみだった国民的(?)CMソング。

しかし、あのCMソングは歌えるのに、本当の木の名前は全くわからない──

そんな方は多いのではないでしょうか。

答えをいいますと、あの木の正体は「モンキーポッド」といいます。

直訳すると「サルの豆」。

なんだか不思議な言葉の並びですが、ここにこの木の特徴がつまっていそうです。

今回は、そんな【この木なんの木の木】について「どこにある木で、どんな木で、なぜそんな名前なのか」など、その素性を辿ってみようかと思います。

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目次

あの木の正体|ハワイの公園に立つ、ネムノキの仲間

まずは場所から。

草原のように見えるあの場所は、ハワイ・オアフ島のモアナルア・ガーデンという公園です。

高さおよそ25メートルに対し、枝の広がりはおよそ40メートル。

幹の高さより横幅のほうが広い、一本で大きな傘をこしらえたような姿です。

樹齢はおよそ130年といわれています。

CMは代替わりを重ねていますが、1984年の6代目からは、映っているのはずっとこの一本。

日本のお茶の間でこれほど有名なハワイの木も、ほかにはないでしょう。

夕暮れには葉をたたむ、マメ科の大きな木

それでは、冒頭にもお話しした「この木なんの木の木」モンキーポッドとはどんな木なのでしょうか。

大きなくくりでいいますと、マメ科の木にあたります。

日本でおなじみのネムノキと同じ仲間、といえば少し輪郭が見えてくるでしょうか。

故郷は中南米、熱帯アメリカのあたり。

正式な和名はアメリカネムノキといい、まさにこの通りの名前です。
(モンキーポッドというのは英語圏での呼び名で、いわば通り名です)

モンキーポッドは成長が早く、大きなものは高さ30メートルほどになります。

傘のように広がる樹冠は、CMの木に限った話ではなく、この木の性分。

木陰が広いので、暑い地域では人々の休み場所として親しまれてきたようです。

一本の木の下に、大勢が集える。

そんな南国でのあたたかい風景は、なんとも羨ましく思えるものですね。

↑この木なんの木の樹形(モンキーポッド)

そんなモンキーポッド、近くで見ると、葉はシダのように細かい小葉が羽の形に並んでいます。

花はネムノキによく似ていて、ピンクの糸をふわりと束ねたような姿。

花が咲き終わると、黒く細長いさやが実って絵から下がります。

その中の果肉は甘く、家畜や動物が好んで食べるといわれています。

そしてもうひとつ、モンキーポッドにはネムノキと似た性質があります。

それは夕方から夜にかけて、小さな葉をぴたりと閉じる就眠運動。

夜になると眠る(ようにみえる)のです。

あの堂々とした木が、夕暮れに葉をたたむギャップ、たまりませんね。

(曇りや雨が近づいたときにも、同じように葉を合わせるといわれています。)

↑モンキーポッドの葉と花

↑ネムノキの葉と花

また、寒さには弱く、日本で屋外に植えられるのは沖縄あたりに限られるようです。

本州で見かける機会は少なく、多くの人にとっては、やはりテレビの中の木なのですね。

(夜に葉を閉じるネムノキの不思議については、ネムノキの記事でまとめています。)

サルの豆と雨の木|ふたつの名前の由来

さて、お次は名前の話です。

モンキーポッドという名前はどこからきたのでしょうか。

まず「ポッド」とは豆のさやのこと。先ほどの、あの甘いさやです。

これをサルも好んで食べるといわれることから、「サルのさや」。

そう、これが「モンキーポッド」という名前になったわけです。

意外と“あっさりした”名づけられ方だったのですね。

↑モンキーポッドのさや

そして実はもうひとつ別名があります。

その名は「レインツリー(雨の木)」。

・曇りや雨が近づくと葉を閉じるので、雨を知らせる木に見えた、という説。

・葉が閉じることで木の下の草まで雨が届き、下草が青々と茂るから、という説。

・葉の汁を吸うセミなどの虫の分泌物が、雨のように降ってくるから、という説。

由来にはいくつかの説があるようですが、面白いことにこの3つの説、どれも「同じ視点」から語られています。

「木の下」からです。

広い木陰で過ごした人が、見上げて感じたことが、そのまま名前になった。

もしかすると、サルの豆も、雨の木も、この木と人との距離の近さがにじむ名前なのかもしれません。

↑モンキーポッドの木陰

意外と暮らしの近くにいる木|一枚板テーブルとハワイ土産

最後に、木材としての顔を少しだけ。

モンキーポッドは、一枚板のテーブルや器、木工品にもよく使われています。

やわらかな色合いと、うねるような木目が人気の理由のようです。

ハワイでは、モンキーポッドの木工品が定番のお土産のひとつなのだとか。

テレビの中の遠い木のようでいて、テーブルや器の姿で、意外と近くにいる木でもあるわけです。

木材としての特徴や一枚板の選び方については、別の記事にまとめる予定です。

↑モンキーポッドの木目

まとめ

「この木なんの木」のお話、いかがでしたか。

CMには映りきらない姿が多くあったのですね。

もしどこかであのCMを見ることがあったら少し思い出してください。

姿は堂々、意外と繊細、そして時々“人の傘”──

そんなモンキーポッドの木のことを。

おまけ|この木なんの木の”うねる木目”のアイテムたち

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この記事を書いた人

ユカワニ
ユカワニ

木が大好きな一級建築士。トリとイノシシと一緒に木の学びをお伝え。

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