木材乾燥の重要知識|未乾燥材の使用で後悔する6つの理由

切った木をそのまま使うことはNG──

“なんとなくの感覚”として持たれている方も多いのではないでしょうか。

ざっくり言いますと、切られた直後の木には大量の水分が含まれているからなのですが、

ではなぜ大量の水分が含まれていると、木材は使いにくいのでしょうか?

それは、同じ木材でも“水分を含んだ木材”と“乾燥した木材”では全くと言っていいほど別モノだからです。

今回のテーマはそんな“木材の乾燥はなぜ必要なのか?”について、まとめてみたいと思います。

拾った木とか使えないの?

どうだろう?ポイントは”乾燥”らしいよ

切ってすぐ使えないなんて木は面倒だゾ

目次

木材を乾燥させる意味

「大量の水分が含まれていると木材は使いにくい」と言いましたが、どちらかというと、水分を含んだ状態で木材を使うと “不都合が出てくる”といった方が正確かもしれません。

極端な例ですが「(乾燥前の)ずっと湿った状態の木材を使いたい!」と思っても、いずれその木材も乾燥状態になります。

切り出した後の木材である以上、乾燥状態という最終形態(?)に向かうのです。

まるで勝手に進化するポケモンのようなものです。

進化するポケモン!!!

ただ、どんどん乾燥していくってだけだロ〜

つまり、最終形態に到達する前に、ある目的に応じて使うと、最終的にはその目的に沿わなくなってしまうということです。

さて、木材を乾燥させる意味をまとめると次のようになります。

①使用後での、乾燥による収縮とひび割れ、を極力防ぐ
(乾燥前から乾燥後にかけて大きくひび割れする)

②変色や腐りをもたらす菌の被害を抑える
(湿潤状態だと変色したり、腐ったりする)

③重さ(重量)を抑える
(乾燥前だと重い)

④強さ(強度)を上げる
(乾燥前だと弱い)

⑤断熱性(熱さ・寒さを遮る能力)を上げる
(乾燥前には、断熱性が低い)

⑥接着性(ボンドなど)を上げる
(乾燥前には接着性が弱い)

どうでしょう?
これだけ見ても、乾燥をさせた状態で使うことの必要性を感じるのではないでしょうか。

な、なんだか色々ありそうだぞ!?

乾燥していない木材はリスクが多いってことだね。

ナンダカ、まだこの記事は長引きそうだナ〜

↑乾燥前の木材には水分がたっぷり入っています

2【補足】:木材の『乾燥度合い』というモノサシ|自由水と結合水

【補足】もっと詳しく知りたい方へ

木材の乾燥にも“度合い”があり、それは含んでいる水分の性質によって分けられます。

(木の根っこが地中から水分を吸い上げているイメージはあるかと思いますが)実は木材の中の水分はおおよそ二つに大別されます。

それは、細胞壁の中にある“結合水”と、細胞腔内(こうない)にある“自由水”です。

難しそうな言葉が出てきましたが、この区別をするにも理由があります。

これは同じ乾燥といっても、『結合水』が抜けていく状態なのか、『自由水』が抜けていく状態なのか、この木材の乾燥度合いによって、性質が大きく変わるのです。

“乾燥”の意味合いについて

それでは、乾燥させる意味を、ひとつずつ詳しくみていきましょう。

①収縮・変形について

木材は、乾燥することで収縮し、さらにはそれによりひび割れが起こります。

つまり、未乾燥状態で使い始めた木材は、(最終的に)当初使っていたカタチでなくなるばかりか、さらにひび割れもできてしまうのです。

そのため、しっかりと乾燥を行い、変形し終わった後に、使いたいサイズや形状に加工・調整していく方がのぞましいのです。

た、棚が曲がった!!!

モノはおちにくそうだけどナ〜

②菌による被害について

木材の“腐り”は木材腐朽菌という菌によって起こりますが、その菌の発生や進行をすすめるものが“酸素”や“水分”です。

つまり、しっかり乾燥させない状態の木材は、菌の侵攻を認めた状態でもあるわけです。

③重量について

想像しやすいと思いますが、水分を含んだままの木材はとても重いです。

木材の種類によっては、完全乾燥時の2倍以上の重さになっていることもあります。

未乾燥を運んだり、設置しようとするとその苦労も大変なものになります。

④強さ(強度)について

木材の強さについても、水分を含んだ状態よりも、乾燥状態の方が強くなります。

そのため、どんな木材を使うにしても、しっかりと乾燥させることは“その木材の強さを引き出す”ということになります。

オレ、重くても大丈夫だぞ!!

絶対イヤ

※もっと詳しく知りたい方へ

木材の強度を測るモノサシとして、圧縮強度・引張強度・曲げ強度・硬さなど様々な種類がありますが、全てにおいて、乾燥状態の方が強くなります。

実際には、繊維飽和点より乾燥が進んだ状態から、強度の変化がはじまります。

⑤断熱性を上げる

断熱性とは、熱さや冷たさなどを“伝えにくくする”性能ともいえます。

断熱性を数値化するモノサシとして熱伝導率という概念を使います。

熱伝導率が高い=熱を伝えやすい
熱伝導率が低い=熱を伝えにくい(断熱性がある)
なのですが、木材は金属やコンクリートよりも熱電等率が低いです。

木材が触った時にあたたかいのは、人から木材への熱の移動が遅いからなのです。

この性能も、乾燥させた方が高くなります。

⑥接着性能を上げる

木材は接着して使うことも多いです。

工業的には集成材や合板。そして大工さんやDIYでもボンドを使います。

水を多く含んだ木材をそのまま使うと

・接着剤の濃度がうすくなってしまう───
・水性接着剤の場合はうすまり木材中へ浸透することで、接着剤が必要な木材表面になくなってしまう───

といった現象が生じ、接着性能が低くなってしまうのです。

まとめ

木材を乾かした方がいい理由、いかがだったでしょうか。

乾かした方が良い、というレベルの話ではなく、
“水分を含んだ木材”と“乾かした木材”は全くの別モノだったのです。

(鉄やコンクリートに比べて)重さのわりには強く、そして加工もしやすい木材───

しかしそれには“乾燥という時間”が必要なのもなんだか面白いものです。

オレ、拾った木乾かすことにした!!

何かに使いたいならそうした方がいいかもね。

じゃ、乾燥させ終わったら、ちょうだイ

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この記事を書いた人

ユカワニ
ユカワニ

木が大好きな一級建築士。トリとイノシシと一緒に木の学びをお伝え。

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