
ホームセンターの棚でよく見かける「ラバーウッド」。
名前は知っているけれど、どんな木かと聞かれると答えるのが難しい───
そんな木ではないでしょうか。
実はこの木、もともとは“ゴムの木”。
ラテックス(天然ゴム)をとるために育てられ、役目を終えたあとに木材として生まれ変わったものです。
今回はそんなラバーウッドについて、木材としての歴史や特徴からDIYでの使われ方まで、まとめてみたいと思います。
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ラバーウッドとは?|ゴムの木(パラゴムノキ)からできた木材
ラバーウッドの正体
まず、ラバーウッドは「パラゴムノキ」という木材です。
学名は Hevea brasiliensis。
トウダイグサ科(Euphorbiaceae)に属し、もともとはアマゾン川流域がふるさとです。
大きなもので高さが二十〜三十メートルほどになり、枝を広げながら伸びていく、堂々とした樹形です。
最初にこの木に注目が集まったのは、“天然ゴム(ラテックス)”が採れるからでした。
しかし、ゴムの木も永遠にラテックスを出し続けるわけではありません。
樹齢二十五年ほどを過ぎたあたりから、その採取もむつかしくなってきます。
そのようにして役目を終えたゴムの木は伐採され、かつては燃やして処分されることが多かったそうです。

↑ゴムの木での樹液の採取
ラバーウッド“材”としての二次活用
しかしそれだけで終わらせるには惜しい木でした。
重すぎず軽すぎず、木目はすなおで、加工もしやすい。
木材としての素質を、しっかり持っていたのです。
こうして、東南アジアのゴム園から生まれる大量の役目を終えた木は、ひとつの資源として見直されていきました。
木材として再利用される流れが世界的に定着していったのです。

↑ゴムの木の畑
ラバーウッド材(集成材)の特徴|天板やカウンターにも
さて、そんなラバーウッドですが、集成材という木質建材に加工された状態で見ることが多いかと思います。
ここでは、「なぜラバーウッドが集成材として流通しているのか」、そして「集成材としてのラバーウッドの特徴」をまとめていきます。
(集成材以外にも合板やLVLなど、他の木質建材を知りたい方は木質建材のまとめ一覧もどうぞ。)

ラバーウッドが「集成材」で流通することが多い理由
まず、ラバーウッドは「ゴム採取を終えた木の活用」というのがスタート地点でしたね。
つまり、あくまでゴムのために植えられた木。
木材用として最適な太さや形に育てられているわけではありません。
そのため、そのまま中途半端なカタチやサイズで使うより、細かく分けて使ったほうが無駄がなく合理的だったのです。
ここで集成材とは、小さく切った木片を組み合わせて板にする木質建材(=木材を加工してつくる建材)。
そう、まさしくラバーウッドとは相性のよい加工方法だったのです。

↑集成材の作られ方イメージ
さらに、ラバーウッドは乾燥さえしっかり行われていれば安定した材になりますが、乾燥が不十分だと、反りやねじれが出ることがあります。
この点でも、集成材は木のクセを平均化できるため、扱いやすさの面からも選ばれやすい姿になっています。
結果として、ラバーウッドは「集成材にしたほうが、使いやすくて、資源も生かせる」として、この使われ方が主流になっていったのです。

↑ゴム集成材の表面
集成材になったラバーウッドの“性格”
ラバーウッドの集成材は、見た目の明るさと扱いやすさを兼ね備えた、“実用性の高い”素材です。
木目はまっすぐで均質。
節が少なく、淡い黄色〜薄い茶色の色味。
硬さは中程度で、密度もいわゆる「中間層」にあたります。
決して軽いわけではありませんが、“重すぎる”ほどでもなく、日常使いの家具として十分な“しっかり感”を持っています。
テーブルの天板やカウンターにも十分耐えられる強さです。
加工性は良好で、切る・削るといった作業はスムーズ。
木目がまっすぐなこともあって、削ったあとの面が整いやすいです。
しかし一方で、水分や湿気にはそれほど強くありません。
水気を放置するとシミや膨れが出ることがあるため、ウレタンやオイルなどで仕上げてあげた方がベターです。
(ウレタン塗装やオイルの違いについては、木材の仕上げ塗料の記事で語っていますので、詳しく知りたい方はこちらもどうぞ)

ただ全体として、ラバーウッドの集成材は「明るく、扱いやすい、実用的な木」と言えるのだと思います。
ラバーウッドは安っぽい?|使い方しだいで表情は変わる
ホームセンターでよく見たり、また値段もお手頃だったりするラバーウッド。
そういう理由からか、「どこにでもある安っぽい材料」と思われる事もあるのかもしれません。
しかし使い方次第で、決して安っぽくなる事はありません。
やさしいテイストのカフェ風、そして濃いめのオイルで染色すればインダストリアルに──
カウンターや、建具の枠、そして框(かまち)まで。
むしろ使い勝手がよく、“素材感を出してくれる”材料です。
ラバーウッドとパイン材の違い
DIYでよく迷う、2つの定番材。
ホームセンターの木材売り場で、ラバーウッドと並んでよく見かけるのがパイン材です。
どちらも手に取りやすい価格帯で、DIYでも人気の素材。
ですが、性質や仕上がりにははっきりと違いがあります。

↑パイン集成材
① 木目と見た目のちがい
パイン材は節がはっきりと出ることが多く、木目も表情豊か。
明るく、少し“カントリーな空気”をまといます。
一方でラバーウッドは、まっすぐで均質な木目。
節が少なく、表情は控えめで、すっきり。
どちらかというと部屋のテイストに左右されにくい素材です。
② 硬さ・密度のちがい
パイン材はソフトウッド(針葉樹)。
やわらかく、キズが入りやすい性格があります。
ラバーウッドは広葉樹で、硬さは中程度。
密度も中間層で、手に持つと“しっかり感”があります。
棚板や天板に使うとき、日常の衝撃に耐えられるかどうかで比べると、ラバーウッドのほうがタフに使えます。
③ 加工のしやすさのちがい
パイン材はとても加工しやすく、切断も塗装も軽快。
DIY初心者からの人気が高い木です。
ラバーウッドも加工性は良好ですが、密度があるぶん若干の“重み”があります。
どちらも加工しやすいものの、
「軽くてサクサク作りたい」ならパイン、
「しっかり質感を出したい」ならラバーウッド、
という使い分けのイメージでもいいかもしれません。
④オイル染色によるちがい
密度が小さくやわらかいパイン材は、オイルがスッと染み込みやすく、色も濃く入りやすい木です。
一方でラバーウッドの集成材は、パイン材のそれと比べるとオイルが染み込みにくく、色の入り方も控えめになる傾向があります。
さらに、染み込み方が均一にならず、ところどころ斑点のようなムラが出ることもあります。
同じ仕上げ材を使っても仕上がりの差が大きいため、DIYでは共に試し塗りをして、オイルの染み込み具合を確認するのがオススメです。
⑤ 耐久性のちがい
パイン材はやわらかいぶん、へこみや傷が付きやすい傾向があります。
ラバーウッドは中程度の硬さがあり、日常使いでは安心感があります。
ただし、水や湿気に対する耐性ではどちらも強くはありません。
天板に使うならどちらも塗装は必須です。

↑パイン集成材(ワトコミディアムウォルナット染色)

↑ゴム集成材(ワトコミディアムウォルナット染色)
まとめ|2度使われる、循環の木
ラバーウッドについて、いかがでしたでしょうか。
まずはゴムの木として長い時間働き、その役目を終えたあとに、今度は木材としてもう一度使われる。
一つの木が、二度人の役に立つ。
そんな循環の中で生まれてきた素材です。
派手さはないけれど、木目はまっすぐで扱いやすく、DIYでも家具でも素直に応えてくれる。
「身近で、エコで、頼りになる」
ラバーウッドは、そんな木なんだと思います。
おまけ|“ラバーウッドを使うエコな暮らし”のアイテムたち
エコな器とエコなご飯を|ラバーウッドの器たち



エコな材料でDIY|リーズナブルにオシャレカウンターを

↑必要なサイズで購入できるラバーウッド集成材
↑屋内仕様でのオイルで困ったらコレ。仕上がりが激変します。



