木材の仕上げ塗料どれを選ぶ?|オイル・ワックス・ウレタン塗装を“性質”で整理してみる

木材の仕上げの種類が多すぎる───

「オイルがいいよ!」
「ワックスがいいよ!」
「ウレタン塗装がいいよ!」

色々なご意見、ありがたい反面、何を信じていいか分からなくなります。

こんな時にパッと理解を助ける方法があります。

それは“染み込む”タイプと、“膜を張る”タイプへ塗装を分類することです。

今回のテーマはそんな“木材の仕上げ塗装の違い”についてです。

木製グッズを買う時、DIYをする時の参考にしてもらえたらと思います。

塗料の選び方漫画①|もくめディア
塗料の選び方漫画②|もくめディア
塗料の選び方漫画③|もくめディア
目次

木材に塗装をする理由

では、そもそもなぜ塗装をするのでしょうか?

もちろん木製品は塗装をしなくても、使えない事はありません。

建築や家具の業界では、塗装をしない状態を“無塗装(むとそう)”と言ったりします。

しかし、無塗装には“弱点”があります。

それは、木材に保護ができていないこと。

基本的に、どんな木でも水が染み込みますし、それを放っておくと“シミ”になります。

こういったことから木材を保護するのが、塗装を行う大きな理由です。

買ったテーブルとかって塗装されてるの?

既製品は大体されてるよ。その種類も見ておきたいね。

そんなところまで考えたことないゾ〜

塗り材を大きく2つに分ける

オイル、ワックス、ウレタン塗装…etc

それらを横一列に並べられると、どれを使ったらいいか、頭が混乱してしまいます。

そこでもっとシンプルに、“塗り材”をたった2種類だけに分類してしまいます。

それは、塗った時に“染み込むタイプ”と、“膜を張るタイプ” です。

『染み込む』タイプ『膜を張る』タイプのイメージ断面

なんとなくの図ですが、感覚的に分かりますでしょうか。

この2種類に、オイル、ワックス、ウレタン塗装を当てはめるとこうなります。

・オイル → “染み込むタイプ”

・ワックス → “染み込むタイプ” ※オイルより表面に止まる

・ウレタン塗装 → “膜を張るタイプ”

さぁ分類も終わったところで、“塗り材の使い分け”を見ていきましょう。

きっと感覚的に腑に落ちるモノも多いかと思います。

染み込むタイプ!膜を張るタイプ!

そうそう、これでうっすらとその性質が分かるよ

ホントにそんなんで塗料の違いが分かるのカ〜?

“染み込む”タイプと“膜を張る”タイプで違いを理解

①仕上がりの違い

まずは見た目の違いから。

“木の表情がとうなるか?”という軸で比較してみましょう。

・“染み込むタイプ”=木の表情に濃淡が出て、木目が生きる

・“膜を張るタイプ”=木の表情も合わせてコーティングする

オイルやワックスの方が、本来の木質感を味わうには適しているように思います。
素材の元々持っていた表情を浮かび上がらせるというイメージです。

感触としては、ウレタン塗装=ツルツル、オイル・ワックス=しっとりサラサラ、といったところでしょうか。

オレ、木の木目はしっかりあってほしい

それは同感。ぼくもそっちが好みだよ。

“染み込む”タイプが、1ポイント獲得だナ〜

②保護力について

次は長く使う上で一番大切なポイント“保護力”について、“染み込むタイプ”と、“膜を張るタイプ” を比較してみます。

・“染み込むタイプ”=(油分で水ははじくが)基本的には水には弱く、傷もできる

・“膜を張るタイプ”=コーティングするので、外からの水分や汚れ、ちょっとした衝撃には強い。

このようなイメージです。

汚れ対応の断面イメージ

“ちょっと水がこぼれた”場合には“膜を張るタイプ”のウレタン塗装の方が優れています。

その一方で、“染み込むタイプ”のオイルやワックスなどは、放っておくとシミになってしまいます。

膜って、そんなに汚れ弾くの?

大手家具メーカーがウレタンクリア塗装をよく採用してるのは事実だよ

膜を張るタイプが持ち直したナ〜

③調湿効果について

木のもつ“調湿作用”にだって、この2種類で違いが出ます。

・“染み込むタイプ”=表面をコーティングしていないので、吸湿効果あり

・“膜を張るタイプ”=表面をコーティングするので、吸湿効果は期待できない

これも感覚的にしっくりくる内容かと思います。

膜をしてしまうことで、吸放湿しにくくなってしまうわけです。

吸放湿の断面イメージ

木って、湿気を出したり吸ったりできるの?

そう、それが実はすごいんだよ。別の記事でまとめるよ

“染み込む”タイプが、有利になってきたカ?

④メンテナンス性

メンテナンス性についての両者の比較はどうでしょうか。

・“染み込むタイプ”=油分の補給(塗装)を時々行う

・“膜を張るタイプ”=コーティングにより定期的なメンテナンスは不要

基本的にウレタン塗装の場合は、その表面コーティングにより定期的なメンテナンスは不要です。

その一方で、オイルやワックスの場合、ツヤがなくなってきた時は油分の補給(メンテナンス)が必要になります。

ただこれは、プロじゃなくてもできるもの。

オイル塗装の商品であればオイルを、ワックス塗装の商品であればワックスを使ってメンテナンスします。

これでしっとり感が蘇ります。

オレ、メンテナンスとか苦手

とっても簡単だよ。日曜日の朝とか気分が晴れるよ。

(…どっちが優勢とか面倒くさくなってきタ)

⑤傷がついた時の対応

想像はしたくないですが、傷がついてしまった時の対応についても、見比べてみましょう。

・“染み込むタイプ”=油分の補給(塗装)。傷が大きい時は、一度削ってから再度塗装を行う

・“膜を張るタイプ”=コーティングが切れてしまった場合は、プロの補修が必要

メンテナンス性では万能なウレタン塗装も、一度その塗膜が切れたら大変です。

表面のコーティングの破れた場所から水分が侵入し、腐食や木の寸法が狂うなどの不具合が生じる恐れがでてきます。

ここでの処理は、残念ながらプロでないとできません。

オイルやワックスの場合には、そもそも木の表面が露出していますので、サンドペーパー(紙やすり)などで処理して、メンテナンスをしてあげるだけで大丈夫です。

くちばしで引っ掻くのはナシだよナ?

うん、問答無用だね

オレもツメたてないようにする

まとめ

いかがでしたでしょうか。

“染み込むタイプ”と“膜を張るタイプ”という分類が、感覚的にその性質をイメージしやすくしませんか?

オイルワックスウレタン塗装
タイプ分類『染み込む』タイプ『染み込む』タイプ
※オイルよりもう少し表面にとどまる
『膜を張る』タイプ
表情本来の木質感
※若干濡れ色
(しっとり)系
本来の木質感
※無塗装に近い
(サラサラ)系
保護コーティングのため、少しツルツル感
保護性そこまで強くないそこまで強くない
※オイルより表面で汚れをはじくイメージ
強い
吸湿効果有り有り無し
メンテナンス性定期的なメンテナンスが必要
※難しくない
定期的なメンテナンスが必要
※難しくない
不要
傷に対して普段のメンテナンスと同じでOK
※大きな傷は一度サンドペーパーで処理する
普段のメンテナンスと同じでOK
※大きな傷は一度サンドペーパーで処理する
大きな傷には要注意!
場合によっては、プロに依頼する必要もあり

最近では、塗装的でもありオイル的でもある複合系の塗り材も見られます。

しかしそんな塗料を見た時も、恐れずに“染み込むタイプ”と“膜を張るタイプ”を思い出していただければ大丈夫。

きっと、その塗料のもつ性質が理解できるはずです。

いずれにしても塗り材はどれも木を長く綺麗に使うためのもの。

どんな塗装で仕上げられたものを選ぶか───

そのケースバイケースは“木との向き合い方”で考えれば大丈夫です。

オレ、もくめ好きだからメンテナンス頑張る!

面倒だかラ、メンテナンスなしの一択

うん、性格がよくでるね

DIYにオススメの塗料|ワトコ・キシラデコール・オスモ・BRIWAX

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亜麻仁油をベースとした木材用オイルのクリア色。
インダストリアル、カフェ、ナチュラルの雰囲気を出すならこのオイル。

キシラデコール|屋外利用での定番オイル(染み込み型)

油性の浸透系オイル。ウッドデッキなどの染色にはこれ。
※ただし屋外利用は定期的なメンテナンスは必要です。

オスモカラー|しっかりとした保護層もつくる染み込み型

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BRIWAX(ブライワックス)|木材用ワックスの代表格(染み込み型)

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この記事を書いた人

ユカワニ
ユカワニ

木が大好きな一級建築士。トリとイノシシと一緒に木の学びをお伝え。

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